鳴門塩業の工場見学
2015/01/15

今回はいつもと趣向を変えて、鳴門塩業株式会社の工場をご紹介したいと思います。
ソルト&クッキングで使っているお塩「鳴門塩田物語」がどのように作られているのか、いつも美味しいレシピを紹介してくれる犬伏まりさんがレポートしてくれます。
こんにちは。犬伏まりです。
「鳴門塩田物語」をはじめ、様々な塩を作っている会社「鳴門塩業」を訪ねてきました。
徳島県鳴門市の塩田事業は、400年以上の歴史があります。
工場は点検期間を除いて24時間毎日稼働し、約160名の社員の方が、3交代制で勤務についています。
今回は、お塩ができるまでの工程を、工場見学を通してご紹介いたします。
(写真3枚目)
最初の工程は海水を濃縮して濃い塩水(かん水)を採る「採かん」と呼ばれる工程です。
ここではイオン交換膜を使い、膜濃縮透析槽という装置で、工場に近接する小鳴門海峡から取水した海水を濃縮します。
およそ100ヘクタール分の塩田がこの装置20槽分に集約され、年間約1万トンのかん水(濃縮された塩水)が生産されています。
装置の中にはイオン交換膜(約10万枚)があり、そこでナトリウムやその他のイオンが分けられ、濃縮されるのです。
(写真4枚目)
ここでは先ほどのイオン交換膜を、社員の方が1枚1枚丁寧に洗浄しています。
(写真5枚目)
次に真空蒸発缶と呼ばれる釜で濃縮されたかん水を煮詰め、塩を作っていきます。
これを「せんごう工程」と言います。
釜内の温度は約110度あり、真空蒸発缶のある建物の中は真冬でも温かく感じるほど。
釜には立釜(たてがま)と平釜(ひらがま)の2種類あり、写真は立釜です。
(写真6枚目)
平釜は昔風の製法に近いため、生産量が立釜に比べて少なく、できた塩はまろやかな味になります。
ソルト&クッキングで使っている「鳴門塩田物語」は平釜で作られています。
この写真は平釜の中の様子です。
結晶化した塩に光を当てると、キラキラと雪のように輝いて、とても綺麗でした。
こうした工程を経て、その後脱水・乾燥された塩は包装され、様々な塩製品になります。
工場の外も案内していただきました。
工場敷地内には、日本神話にも登場する海の神様「塩土老翁(しおつちのおじ)」を祀った塩釜神社があります。
鳴門という土地柄、古くから伝わる製塩業の歴史や文化をしっかりと継承し、未来へつないでいこうという想いが伝わってきました。
応接室に飾ってある沢山の昔の写真。
塩田の歴史、塩作りの伝統的な工程が写真に収められていました。
広い塩田に海水を撒き、時間と体力をかけて少しづつ丁寧に作られてきた鳴門の塩の歴史を垣間見ることができました。
鳴門の恵まれた自然と環境の中で、国産の塩をより安心でより美味しく私たちが使用できるように、徹底的な品質管理をし、安定的な製塩を守り続けている鳴門塩業さんの工場見学は、毎日使っている「鳴門塩田物語」をはじめ、身近なお塩の存在の重要性を再確認させてくれるものでした。